美園のミソ

美園のミソになる話

全部元彼のせい

私は『元彼の遺言状』をすすめる。

1番の理由は私の推し(大泉洋)が出演しているから。ドラマにとって出演者はとても大事だと思う。俳優は演技が上手いだけじゃ人気は出ない。セリフが下手でもその人の存在感や表情に魅了されることもある。

(かといって推しが演技が下手だというわけではない)

次に、このドラマの強みは【役者にピッタリあったキャラクター】だと思う。『高飛車な弁護士=剣持麗子』も主演の綾瀬はるかから滲み出る愛嬌でマイナスなイメージが中和されている。

そして相棒となる篠田は謎多き男で、会ってすぐに距離を縮めてきたり、突然いなくなったと思ったらふらっと現れたりする。だが料理が上手だったり、ミステリー小説が好きで小説家になることを夢見ている。そんな不思議なキャラを大泉洋が演じているからなのか、怪しさも軽減されてむしろ愛らしさを感じる。

 

原作小説と内容が随分異なるため、原作ファンからは批判もあるが、私は原作よりドラマの方が好きだ。原作は多くのキャラと絡むことで事件を解決しているが、ドラマでそれをやってしまうと誰がメインかわからなくなってしまう、そこで篠田を相棒にすることで一貫して麗子と篠田が事件を解決していくという話でうまくまとめられていると思う。

 

他にも麗子の先輩弁護士や元彼のいとこなど脇役も一癖あるものの、どこか憎めない愛らしさがあり、バディからチームになって事件を解決していく様は見ていて面白かった。

 

ストーリー自体は色々と突っ込みたいところもあるが、篠田の正体が少しずつ明らかになっていく様は毎週ドキドキしながら見ていた。

そして何よりクライマックスの麗子の熱弁は胸を打つものがあった。お金に貪欲だった麗子がお金よりも大切なものを守る姿に主人公の成長を感じられる。

 

番外編のような最終回も面白かった、小説など一切読まないと話していた麗子が篠田の小説を読んでいたエピソードも2人の関係の変化をうまく表現していて秀逸だと思う。

 

『元彼の遺言状』を見て、ドラマにおいてやはり愛されるキャラクターは大切だと感じた。

と言うことでぜひまだ見ていない方にも、リアルタイムで見ていた方はもう一度見ていただきたいと思う。